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2009 Jun. 01 麻里のアトリエ便り 2009年6月【La mia Roma/私のローマ その6】

La mia Roma/私のローマ
その6:泉・噴水(Fonte・Fontana)

ローマは泉(噴水)の都。
街に響く水音の風景。
ローマを愛する人なら、きっと、
必ずお気に入りの泉(噴水)があることでしょう。。。

はじめてローマを訪れた日の明け方、
地図も持たずにフラフラと独り街に出た私は、
裏通りに迷い、漂い、突然、
トレヴィの泉(Fontana di Trevi)にたどり着きました、
ローマは、ローマ式に劇的に私をもてなしてくれたのです。

心疲れた時に向かったマルグッタ通り「芸術家の噴水」
(Fontana degli Artisti : Via Margutta) 、
大好きなゲットー「亀の噴水」
(Fontana delle Tartarughe: Piazza Mattei) 、
交差点の「四つの噴水」 (Quattro Fontane : Via delle quattoro fontane)
スクローファ通りの小さな「豚の噴水」
(Fontana delle Scrofa : Via delle Scrofa) 、
四季折々のヴァチカンのベルヴェデーレの中庭の噴水
(Cortile Ottagono : Museo Pio-Clementino ¸Vatican) 、
狂気を感じるエステ家の別荘の噴水群 (Villa d’Este : Tivoli) 、


ローマでのスケッチ旅行の時に、
運転手をお願いしていたフランコは、
切り売りのピッツァを片手に、いつも
大きな噴水に飛び乗って水を飲みました。
南イタリアの青空と、輝く水しぶき、
少年のような無邪気なその姿は、
どんな映画よりも美しかったな。。。
私のローマ、泉(噴水)にまつわる忘れられない風景。


「麻里のアトリエ便り」は毎月朔日更新です。

夏至の頃、太陽を浴びて、どうぞお元気で。。。
see you on Facebook!

2009 May. 02 麻里のアトリエ便り 2009年5月【La mia Roma/私のローマ その5】

La mia Roma/私のローマ
その5:トラステーヴェレ(Trastevere)

トラステーヴェレ、
テヴェレ河の向こう側…。

古代の倉庫街から
民衆の手によって築かれた地区。
迷宮のようなこの素敵な街では、
猫のように気まぐれに歩くのがいいのです。。。

藤やブーゲンヴィリアのアーチをくぐり、
心地よい噴水広場では日向ぼっこ、
街角の古代のイオニア式円柱に驚いたり、
美しい「窓」に出会うのもこの地区です。
     *

サンタ・チェチーリア・イン・トラステーヴェレ教会、
(Santa Cecilia in Trastevere)
ピエトロ・カヴァッリーニの壁画「最後の審判」(1293年) 。
(Pietro Cavallini 1250 ? 〜 1330 ? )
私をローマへと導いた、私にとって大切な作品。

ダンテの家(Casa di Dante) を通り過ぎ、
裏通りの窓辺の洗濯物に心和みながら…、
サンタ・マリア・イン・トラステーヴェレ教会へ。
(Santa Maria in Trastevere)
この教会の設立は西暦220年前後とか…。

セッティミニアーナ門(Porta Settimiana)を抜けて、
ファルネジーナ荘でラファエッロのガラテアへ…
(Villa Farnesina)
それとも、緑豊かなローマ大学付属植物園で
(Orto Botanico dell’Universita di Roma)
木漏れ日の中、過ごすのも素敵。

正午を知らせる、空砲の爆音にはご用心。。。




「麻里のアトリエ便り」は毎月朔日更新です。
(※今月は文字化けを見つけて5/2に再更新しました。)

草花のスケッチに追われる毎日です。

皆様、初夏をどうぞお元気でお過ごし下さい。

            麻里

2009 Apr. 01 麻里のアトリエ便り 2009年4月【La mia Roma/私のローマ その4】

La mia Roma/私のローマ
その4:地下のローマ(citta sotterranea)

アウグストゥス帝の市場跡の裏通りに
(Foro di Augusto)
初老の芸術家がアトリエを構えていました。
彼の作品に対する真摯な姿勢、
気さくな人柄も魅力でしたが、
加えて、アトリエの地下室が興味深くて
度々お邪魔していました。
「メリー、ついておいで!」そう言って、
彼が悪戯っ子のように螺旋階段を降りていった時は、
はじめは驚きましたが…。

ファビオのアトリエの地下には
2000年前の街並がそのまま残っていました。
蜜蝋の光に照らされる先には、
洞窟のように空間が広がり、
怪物の内蔵に迷い込んだがごとく恐ろしく、
安らかでもありました。。。


時が交錯する街、ローマ。
見えては隠れ、散乱する時のかけらたち。
今でも9割の遺跡は地下に眠ると言われ、
その夢は突如として覚醒し、詩の断片を唱え始めます。
(フェリーニ(Federico Fellini 1920-1993)のフィルムにも
 たしか、そんなシーンがありました。。。)
郷愁という、この街に抱く胸の燻りの故は、
足下深く眠る詩の続きを覚えているからでしょうか。。。

ローマの重層構造を上手に見せてくれるのは、きっと
サン・クレメンテ教会でしょう。(Basilica San Clemente)
http://www.basilicasanclemente.com/index.html
暗闇の中の詩の続きを探検する人たちも…。
http://www.sotterraneidiroma.it/

この街で“時の覚醒”は日常茶飯事なのです。
「やれやれ、すぐそこの道路工事の現場で、
モザイクが出ているよ、見ておいで。」
友人の気のきいた情報をたよりに工事現場へ急げば
掘削した石畳の隙間から
古代モザイクが戸惑い気味に輝き、
その横をミニバイクが猛スピードで
おかまいなしに走り抜けていくのですから。。。


「麻里のアトリエ便り」は毎月朔日更新です。
Buona Pasqua!
春の再生の光があなたを勇気づけますように☆
もうサマータイムなのですね。。。   
                  麻里

ヴァチカン博物館がネット予約可能に!
入館時間も9:00〜16:00、閉館18:00と延長。
http://biglietteriamusei.vatican.va/tickets/do?weblang=en&do

2009 Mar. 01 麻里のアトリエ便り 2009年3月【La mia Roma/私のローマ その3】

La mia Roma/私のローマ
その3:カンピドッリオの丘(Monte Campidoglio)

テアトロ・マルチェッロ通りに面した
不思議な二連の大階段。
そこはカンピドッリオの丘への入口。

たしか、私が14歳の時だったでしょうか…
この二連の階段を描いた1枚の鉛筆素描に出会いました。
若きドミニク・アングルのその鉛筆素描は、
(Jean-Auguste-Dominique Ingres 1780-1867)
少し構図に苦労して紙を継いで描いています。
ロザリオの祈りのような
サンタ・マリア・イン・アラチェーリの階段。
ライオンが迎えるミケランジェロ作の優しい階段。
あの時、あの素描の中で見た不思議な階段が、
目の前で丘へといざないます。。。

丘の上の一方は、
サンタ・マリア・イン・アラチェーリ教会。
(Santa Maria.in Aracoeli)
もう一方は、カンピドッリオ広場。(Piazza Campidoglio)
古は神々を奉る神殿、そして要塞の地、
巫女がこの地を言い当てたのでしょうか、
風が回る神聖な空気に満ちています。
それとも、この感覚はミケランジェロの技でしょうか。。。

帝政時代の双子の巨像、
マルクス・アウレリウスの青銅の騎馬像、
(※現在はコピー、美術館内にオリジナル蔵)
広場を取り囲む宮殿の品格ある色調、
階段からの優しい敷石の輝き…。
カンピドッリオ広場は、
混沌とした時代の美を絶妙に組み合わた
建築家としてのミケランジェロの才能と、
彼の真の温厚さを感じる事ができる広場です。
この丘を堪能したら、どうぞ宮殿の屋上でカッフェを!
(Musei Capitolini) http://www.museicapitolini.org/
そして鐘楼のある
元老院宮殿(現:ローマ市庁舎)裏通りで
愛しい人とキスを!

「麻里のアトリエ便り」は毎月朔日に更新しています。
今年は少しずつ各ページのデザインも変えていく予定です。
どうぞお楽しみに。。。

アトリエ向かいのミモザが綺麗です。
シャンパンとオレンジのカクテル
「ミモザ」飲みたいな。。。
                麻里

2009 Feb. 01 麻里のアトリエ便り 2009年2月【La mia Roma/私のローマ その2】

La mia Roma/私のローマ
その2:パンテオン界隈(Pantheon)

ファッキーノの泉の前をそっと通り、
ピエ・ディ・マルモ通り入口の
巨足の彫刻に触れ、道なりに歩むと、
サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会へ。。。
(S.M.Sopra Minerva)
ミネルヴァ神殿跡に建てられたゴチック様式の教会、
主祭壇左手には
静かにフラ・アンジェリコが眠っています。
トスカーナの澄んだ色彩は微塵も感じられない
冷たく薄暗い空間に違和感を覚えながら、
ここで、私はいつもフラ・アンジェリコの虹彩を想います。

教会前のミネルヴァ広場には
オベリスクとベルニーニ工房のキッチュな小象。
この小象の背景に見える奇妙な建物こそ
ハドリアヌス帝の遺構、パンテオン(Pantheon)。。。

パンテオン。
正面の圧倒的なエレガンス、
美意識冴えるコリント式円柱のリズム。
神々に捧げられた円堂には、吹き抜けの天窓ひとつだけ。
降り注ぐ光は私たちを照らし、
ある時は雨が床を濡らし、
また、ある時は神々の贈り物のように
ゆっくりと鳥の羽が落ちてきます。

壁龕には鳩が舞う棺、ラファエッロの墓。
(Tomba di Raffaello)
才能あふれる画家は若く美しい姿のままで、
彼に最もふさわしい場所に眠っています。
きっとハドリアヌス帝の導きでしょう。。。

心が揺らぐとき、いつもパンテオンを想います。
美への可能性を学んだ場所、
私の座標軸。
いつか、きっと、私の心臓は小さなパンテオン型に。。。


お知らせ:
リンクを追加しました。
http://mochizukimari.com/link.html

寒い毎日、
ホットチョコレートを作ってあなたに届けたい。
どうそ、お元気で。
              麻里

2009 Jan. 20 麻里のアトリエ便り 2009年1月【La mia Roma/私のローマ その1】

La mia Roma/私のローマ
その1:パラティーノの丘 (Monte Palatino)


ヴィア サクラ(聖なる道)を横切り
ティトゥス帝の凱旋門を背に
深緑に包まれた坂をゆっくりと登りきると
一年中、豊かな陽光の降り注ぐパラティーノの丘へ。

パラティーノの丘は ローマ のはじまり。
ヴィーナスの子孫の巫女とマルス神との間の子、
ロムルスとレムス(双子)。
二人は幼子のうちにテヴェレ河に捨てられ、
狼に養われ羊飼いのもとで成長し…そして、
このパラティーノの丘と隣のアヴェンティーノの丘で
王になるべく、鳥を数え競い合いました。
ロムルスの名からローマとし、
紀元前753年春にローマは建国されます。

今でも季節を問わず小鳥歌うこの丘に立つと、
二千年の時はあまりに短く
すべてが昨日の事のように感じられます。
春。この丘に野の草花が咲き乱れる景色は、永遠の美、
塵となってこの地に留まりたいと、私はいつも思うのです。


この丘でお気に入りの場所は、
アウグストゥス帝の妃、リウィア の家跡 (Casa di Livia) 。
こじんまりとしてエレガントなたたずまいの屋敷、
シックな壁画…リウィアの人柄が偲ばれます。
妃のプリマ・ポルタにあった別邸の壁画は
(Villa di Livia a Prima Porta)
私が世界で一番、一番、好きな絵。
まるで当時のパラティーノの丘を思わせる庭の絵。
永遠の空間。
※現在ではローマのテルミニ駅近くのマッシモ宮
(Palazzao Massimo alle Terme)でこの壁画を見学可。

パラティーノの丘で、もうひとつ惹かれる場所、
ドミティアヌス帝の馬場 (Stadio Palatino) 。。。
聖セバスティアヌスの処刑所という説もある地。
ローマの馬場でハリネズミのように矢を受けた聖人、
幼な心に、キリスト教は何故このように苦しい絵ばかり…
と思いつつ、美しくかっこいいアイドルのように
聖セバスティアヌスの御絵を
小学生の頃の私は本の栞にしていました。
確かにこの主題の絵には
背景に美しい深緑と遺跡が描かれているのです。

パラティーノの丘。
小鳥歌う丘。
色々な出来事はまるで昨日のように。。。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
「La mia Roma/私のローマ」をスタートしました。
1年かけておそれながら、ローマを綴ってみたいと思います。
2月からは毎月朔日に更新します。どうぞお楽しみください。

お知らせ:
2008年12月開催しました 望月麻里 展の画像を
【ギャラリー・日本画】ページにUPしています。
http://mochizukimari.com/gallery.html

冬の日々。寒さもどうぞお楽しみ下さい。お大切に。  
                      麻里

2008 Dec. 17 望月麻里 展 終了しました。 ご高覧有り難うございました。

望月麻里 展 
2008年12月8日(月)〜13日(土)
銀座スルガ台画廊 
東京都中央区銀座6-5-8 トップビル2F

展覧会開催中はご多用の中、ご高覧頂きまして
誠に有り難うございました。
おかげ様で無事に終了する事ができました。



いつか展示してみたいと思っていた輝く黒い床のギャラリー、
過去の「窓」の作品も含め13点を展示しました。

表現力の未熟さ、仕事の稚拙さ、
ご来場の方々への対応の不勉強、
まだまだ私自身は改善しなければならない事ばかりです。
ギャラリーのアーティストルームから見える
銀座の街の窓を眺めながら、色々な事を考えました。。。

会期中は想像していた以上にご来場者が多く
沢山のご意見、お励まし、お心遣いを頂きました。
心より御礼申し上げます。

素敵な出会いも沢山ありました。
どこからかの輪廻でしょうか、
説明もいらず、わかちあえる事の幸せ。
再び無垢な画面の前に立つ勇気を頂きました。



最後になりましたが
温かくお見守り下さるギャラリーオーナーの串田光子さん、
ギャラリースタッフの細やかなお心遣いに
厚く御礼申し上げます。素晴らしいギャラリーでした!

今後ともご指導の程、ご鞭撻の程、
宜しくお願い申し上げます。

                   2008年12月 望月麻里


※2008年 望月麻里 展の作品画像は
 当WEBサイト「ギャラリー・日本画」ページで
 年内にはアップする予定です。どうぞお楽しみに。